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期転換ルール ―無期転換をめぐる紛争①―

2019.01.07
    無期転換ルールの導入から5年が経ち、各企業では順次発生する転換権の行使により無期雇用へと動いています。
    中には積極的に正社員への登用を進め、優秀な労働力の確保を図る企業もありますが、残念ながら当初の予想どおりトラブルも発生しています。
    そこで、今回から2回に亘りトラブルとなった事案をご紹介します。

    ● 無期転換ルール導入後に採用された有期雇用労働者への雇止め
    今年の3月、雇止めの理由が「無期転換逃れ」にあるとして高知県立大学を訴えた事案の地裁判決が出ました。
    無期転換ルール導入後、大学の職員が無期転換逃れを理由として訴訟を提起したのは全国で初であり、注目を集めていました。

    原告の男性は、平成25年に高知県立大学との間で契約期間1年の雇用契約を締結し、2回に亘り更新されましたが、3回目の更新はなく平成28年3月末で雇止めとなりました。
    この雇止めが「無期転換逃れ」であり、雇止め法理により無効であると主張していました。

    高知地方裁判所は、雇止め法理を法文化した労働契約法19条各号について、下記のような理由から該当性は無いとの判決を下しました。

    ≪期間の定めのない労働契約労働者への解雇と同視できるか:法19条1号≫
    高知県立大学の就業規則には契約職員の雇用期間を1年とし、3年を超えない範囲内での更新は可能とする規定があり、
    ①更新の際には契約期間を明記した書面を交付していたこと、
    ②これまでに就業規則に基づいて雇止めとなった従業員は、事前に適正等の判断が行われていたこと
    等の事情から、更新手続きが形式的かつ形骸化したものとは言えないとして、当該雇止めが期間の定めのない労働契約を締結している労働者の解雇と同視はできないとしました。

    ≪契約更新への期待に合理的な理由があるか:法19条2号≫
    ①同大学はわずかな例外(契約ミス等の事情から3年を超えて更新)を除き、3年の期限を越えてそのまま更新したことはなく、その後の採用は更新とは性質の異なる『公募』によっていたこと、
    ②原告が準職員採用試験を受験し、一旦は準職員として内部登用される機会があったこと、
    ③契約書には「自動更新」という項目ではなく「更新する場合がありえる」という項目に○印があったこと、
    等の事情から雇止めの可能性を予見することができたとし、雇用継続に対する期待に合理的な理由があったとは言えないとしました。

    この判決により、今回の事案の雇止めは契約に基づいた合理性のあるもので無期転換逃れではない、という結論が出ました。
    但し、原告側はこの判決を不服とし、3月21日までに高松高等裁判所へ控訴しています。
    したがって最終判断が出るのはまだ先ですが、それまではこの裁判例が有期労働契約における一つの指針となるのではないでしょうか。

    次回は無期返還ルールに関する不当労働行為の事案についてです。

    平成28年(ワ)第131号 雇用関係存在確認等請求事件

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